f’sぽけっとの名付け親

まもなく福島へ来て5年が経ちます。

2015年2月に福島へ移住してきた時、自分で会社を立ち上げるなんて全く考えていませんでした。しかも海外添乗員の仕事を離れることを決めたのも、引越しを決めたのも突然。ほぼ深いことは何も考えずに、思いつきだけで行動をしていました。今もですが・・・。

 

同じ頃、やはり海外添乗員の仕事を離れた友達がいました。名前は「あっちゃま」。所属する会社が違うのに、とっても気が合って、何でも話ができる大切な親友。お互いお酒が強いので、よく飲みに行ってました。同じ仕事をしているのに、なぜか海外からお土産を買ってきてくれました。今でも彼女がフィンランドから買ってきてくれたムーミンの鏡は、私のポーチの中に入っています。

 

福島から東京へ戻る機会があると、わずかな時間でも会いに来てくれました。クラウドファンディングでご支援頂き、会社を立ち上げる準備を進める際、彼女に会社の名前を決めてもらおうと思いました。

 

名前を決める前に、ロゴマークを決めようと思いました。デザインを考えてもらったのは、私が「福島の父」と慕っている立子山のじっちゃんのお孫さん。大きな桃と阿武隈川・種まきうさぎ。福島市のシンボルを使った絵を描いてくれました。それを見たあっちゃまが「会社の名前は桃えもん」と言いました。ドラえもんが好きだったのか何だかわかりませんが、それしか思いつかないと言ってました。でも、さすがに「株式会社 ももえもん」はお断りしました(笑)

 

その頃、私が考えていた名前が、FanFun福島。でもよく考えたら、私は福島より岩手が好きだったし、福島だけに留まる会社にはしたくなかったので、「福島」を付けるのはやめました。同じ理由で社名に「旅行」関連の言葉を付けるのもやめました。旅行業だけに留まる会社には、これからもならないつもりです。

 

そして二人で考えた名前が、f’sぽけっと。

f’s(えふず)は「F」の複数形。Fから始まる言葉は沢山あって、それがどんどん出てくるドラえもんのポケットのような会社。もちろん福島の「F」でもあります。外国の方にも読みやすい名前をと考えましたが、日本の方が読むのに困っていらっしゃるようですね。これを機会に覚えていただけると嬉しいです。

 

f’sを小文字と決めたのは、あっちゃま。ぽけっとを平仮名と決めたのも彼女です。理由は「可愛いから」。単純な理由です。

 

会社を立ち上げて3年目。一人でやっている会社ではありますが、周りには助けてくださる方、協力してくださる方が沢山いらっしゃいます。なので実際に一人でやっている事は経理や書類関係の仕事のみ。それも税理士さんのお力をお借りしてやっています。旅行業は決して一人ではできません。

 

今年の秋、あっちゃまは天国へ旅立ったようです。生前に書いてくれていた「旅立ちました」という手紙が届きました。宛先は会社が移転する前の住所でした。なので、4月10日前に書いてたんだろうなぁと思います。まだお墓参りもなにも出来ていないので、全く実感がわきません。ただ彼女は闘病中も、自分がどんなに辛くても家族や周りの人に気を遣う、とっても優しい人でした。届いた手紙にも優しさがあふれていました。

 

いつも私の背中を押してくれていた「あっちゃま」。一人でやっている会社でしたが、今は私と、ちょっと年をとった可愛い天使と二人でやっていると思っています。これからも末永く、株式会社f’sぽけっとをよろしくお願いいたします。